独学で資格合格した私が試した勉強時間の記録術

「今日から勉強時間を記録するぞ」と意気込んでアプリをダウンロードしたのに、気づけば2週間で開かなくなっていた。そんな経験はありませんか。

実は私も、まったく同じ失敗を何度も繰り返してきました。社会人として働きながら独学で資格を目指していたとき、最初の1ヶ月で記録が続かなくなり、自己嫌悪に陥ったこともあります。

それでも最終的に約半年〜1年の独学を経て、昨年(2025年)に行政書士試験に合格することができました。そのきっかけになったのが、自分に合った「ゆるい記録術」にたどり着いたことです。

この記事では、私が実際に試して続かなかった方法と、半年以上続けられた方法を比較しながら、勉強時間を無理なく管理するコツをお伝えします。

勉強時間の記録が続かない本当の理由

「やる気がないから続かない」と自分を責めていませんか。私もずっとそう思っていました。でも実際に何度も挫折してわかったのは、続かないのはやる気の問題ではなく、記録の精度を求めすぎていることが原因だということです。

勉強開始1ヶ月目、私は人気の勉強記録アプリを入れて、科目ごとに分単位で時間を測っていました。最初の1週間は楽しくて、グラフが伸びるのを見るのが快感だったんです。

ところが2週目に入ると、入力を忘れる日が出てきました。「あのとき何分やったっけ」と記憶を頼りに入力し、「これって正確な記録じゃないよな」と罪悪感が芽生えはじめます。3週目には、記録すること自体が憂鬱になり、ついにアプリを開かなくなりました。

このとき気づいたのは、完璧に記録しようとするほど、ハードルが上がって続かなくなるということです。

これは行政書士に限らず、どんな資格勉強でも同じだと思います。簿記でも宅建でもFPでも、長期戦になる試験では「いかに低いハードルで続けるか」が勝負を分けるはずです。記録は手段であって目的ではない、という当たり前のことを忘れていたんですね。

私が半年続けられた「ざっくり記録」のやり方

挫折を経て、私が最終的にたどり着いたのは拍子抜けするほどシンプルな方法でした。手帳に「正」の字を書くだけです。

具体的には、1日を「通勤」「昼休み」「帰宅後」の3ブロックに分け、それぞれのブロックで勉強できた30分単位ごとに「正」の字を1画ずつ足していくスタイルです。記録に使う時間は、1日トータルで30秒もかかりません。

道具はシンプルなものを選ぶ

使っていたのは1冊500円ほどの薄いマンスリー手帳と、ボールペン1本だけ。アプリのように電源を入れる必要も、通信を待つ必要もありません。電車の中でカバンから出して、サッと書いてしまえる手軽さが、私には合っていました。

続けるコツは「分単位を捨てる」こと

正確に30分以上やったときだけ1画。20分しかできなかった日は記録しない、というルールにしました。最初は「短時間も積み重ねれば貴重なのに」と迷いましたが、記録を続けることそのものを優先すると決めてからは、気持ちがずいぶん楽になりました。

私の場合は行政書士でしたが、社会人で独学する人の多くはスキマ時間が学習の中心になるはずです。通勤や昼休みを使う勉強スタイルなら、この「ざっくり記録」はどの資格でも応用できると思います。

アプリ・手帳・スプレッドシートの使い分け体験談

「結局どのツールがいいの?」と聞かれることがあります。私は約半年〜1年の勉強期間で3種類とも試したので、それぞれの感想を率直に書いておきます。

勉強記録アプリは最初の2週間は楽しいです。グラフや累計時間がきれいに表示されて、達成感もある。ただ私の場合、入力忘れがあると一気にやる気が落ちました。デジタルだとデータの「欠け」が目立って気になるんですよね。

スプレッドシートは試験3ヶ月前ごろに導入しました。模試の点数と勉強時間を一緒に管理したかったからです。これは振り返り用途には向いていましたが、毎日の入力は手帳より面倒に感じました。週1回まとめて入力する運用がちょうどよかったです。

紙の手帳は結果的にいちばん長く続きました。理由はおそらく、「書く」という行為が小さな達成感を与えてくれるからだと思います。ペン先が紙に触れる感触、インクの線が増えていく実感は、画面のグラフにはない満足感がありました。

ここから言えるのは、ツールに正解はなく、自分の生活リズムと相性のいいものを選ぶのが大事ということです。あなたが目指している資格が何であれ、まずは2〜3週間試してみて、続かなければ別の方法に切り替える柔軟さを持ってほしいなと思います。

数字に振り回されないための記録との付き合い方

記録には落とし穴もあります。続けば続くほど、累計時間という「数字」に心が振り回されはじめるんです。

試験3ヶ月前、私は累計勉強時間を計算して愕然としました。合格者の平均と言われる時間まで、まだ300時間以上足りなかったんです。「もう間に合わないかも」という焦りで、その日は1ページも進みませんでした。

このとき気づいたのは、記録の目的を「過去の実績」から「明日のモチベ」へ切り替える必要があるということです。

具体的には、累計時間を見るのをやめて、「今週どれだけ進めたか」だけを見るようにしました。1週間という短いスパンなら、頑張りが数字に反映されやすく、自己肯定感を保ちやすかったんです。

長期戦の資格勉強では、数字に潰されそうになる瞬間が誰にでも訪れると思います。簿記、社労士、中小企業診断士など、半年以上かけて挑む資格を目指している方なら、共感してもらえるのではないでしょうか。記録は自分を励ますための道具であって、自分を追い詰めるための道具ではない。この前提を忘れないでほしいなと思います。

なお、勉強法や試験対策の詳細は試験種別や年度によって最適解が変わります。最新の試験情報は各試験の公式サイトや専門家のアドバイスを確認してください。

記録を「振り返り」に活用する週末15分ルール

最後にお伝えしたいのが、記録を「つけるだけ」で終わらせない工夫です。

勉強期間の後半、私は週末に近所のカフェで15分だけ手帳を見返す時間を作りました。コーヒーを1杯飲みながら、その週の「正」の字を眺めて、3つの問いに答えるだけです。

【週末15分の振り返りメモ例】
1. 今週いちばん集中できた時間帯はいつだった?
   → 火曜と木曜の早朝。前日早く寝た日に集中できていた。

2. 思ったより進まなかった日は何があった?
   → 残業が長引いた金曜。帰宅後の勉強は無理がある。

3. 来週、どこを少し増やせそう?
   → 朝活を週3→週4に。昼休みは無理せず現状維持。

これを始めてから、ただ時間を積み上げるだけだった勉強に「方向性」が生まれました。何が自分に効いていて、何が無理だったのか、自分の傾向が見えるようになるんです。

これは行政書士に限らず、どんな資格学習でも有効な方法だと感じています。試験勉強はマラソンに似ていて、走りながらフォームを微調整していく作業の連続。記録はそのフォームチェックの材料になります。

15分が長いと感じる方は、5分でも十分です。大切なのは振り返る習慣そのものを持つことだと思います。

まとめ

勉強時間の記録を続けるコツを、私の体験をもとにまとめます。

  • 分単位の完璧な記録は続かない。ざっくりでいいと割り切る
  • 手帳・アプリ・スプレッドシートは、自分の生活リズムに合うものを2〜3週間試して選ぶ
  • 「30分以上やったら1画」など、自分なりのシンプルなルールを決める
  • 累計時間ではなく1週間単位で見ると、メンタルが保ちやすい
  • 週末15分の振り返り時間を作ると、記録が次の行動につながる

勉強時間の記録は、続けるためにあるのであって、自分を苦しめるためのものではありません。私自身、何度も挫折したからこそ、ゆるい記録術にたどり着けたと思っています。

あなたが今挑戦している資格がどんなものであっても、自分に合った記録方法はきっと見つかります。最初から完璧を目指さず、まずは今日、手帳に1本の線を引くところから始めてみてください。