「過去問は3周しろ」「いや、最低5周は必要」――。資格勉強をしていると、こうしたアドバイスをあちこちで見かけます。私も独学を始めた頃、何周が正解なのか分からず、ネットの情報を見るたびに気持ちが揺れていました。
実は私も、過去問を回しても回しても点数が伸びず、深夜に頭を抱えた経験があります。昨年、約半年ほど独学を続けて資格試験に合格しましたが、その過程でたどり着いたのは「何周するか」よりも「どう回すか」のほうがずっと大事だという結論でした。
この記事では、私が実際に試して効果を感じた過去問の回し方を、失敗談も交えて紹介します。あなたが挑戦している資格でも応用できる考え方になっているはずです。
過去問は「何周」より「どう回すか」が大事だった
結論から書くと、過去問の周回数に絶対の正解はありません。3周で受かる人もいれば、10周しても伸びない人もいます。私自身もそうでした。
私が勉強を始めて3ヶ月ほど経った頃、初めて本格的に過去問1冊を解き終えました。意気込んで答え合わせをしてみたら、正答率はおよそ3割。思わず机に突っ伏したのを今でも覚えています。「こんなに勉強したのに、まだ3割なのか」と、本気で続ける自信が揺らぎました。
でも今振り返ると、これはどの資格勉強でも起こりうる、ごく自然な現象だったのだと思います。1周目はインプットが定着しきっていない段階で解くわけですから、点数が低いのはむしろ当たり前です。
大切なのは、その低い点数を「失敗」と捉えるか「現在地の確認」と捉えるかの違いです。私の場合は、後者に切り替えてから少し気持ちが楽になりました。
周回数を数えること自体が目的になると、勉強が作業化してしまうんですよね。これはおそらく、宅建でも簿記でも、語学系の試験でも同じだと思います。「何周したか」を語れる勉強より、「何ができるようになったか」を語れる勉強のほうが、結果的には合格に近づくと感じました。
私が実際に試した過去問の回し方(3つのフェーズ)
ここからは、私が約半年の勉強期間で実際にやっていた過去問の回し方を、フェーズごとに紹介します。
フェーズ1:1〜2周目は「現在地の把握」と割り切る
1周目は、とにかく最後まで解き切ることだけを目標にしました。分からない問題があっても深追いせず、印だけつけて先に進みます。
具体的には、解いた問題に対して次の3種類の印をつけていました。
○:自信を持って正解できた
△:迷ったけど正解した/勘で当たった
×:間違えた、または全く分からなかった
この3段階に分けるだけで、2周目以降にどこへ力を注ぐべきかが一目で分かります。私は1周目を終えた時点で、ページの半分以上が「×」と「△」だらけになっていて、正直ぞっとしました。
でも、これがあったからこそ2周目で迷子にならずに済んだのも事実です。
フェーズ2:3〜4周目は「△と×」だけを徹底的に回す
3周目あたりからは、○がついた問題はバッサリ飛ばすようにしました。すでに理解できている問題に時間を使うのは、限られた勉強時間の中ではもったいないと感じたからです。
代わりに、△と×の問題だけを集中的に解き直しました。すると、同じ問題でも「ここを勘違いしていたのか」という気づきが何度も出てきます。点数が伸びるのは、新しい問題を解いたときではなく、間違えた問題を理解し直したときでした。
この絞り込み方式は、どの資格試験でも応用できると思います。範囲が広い試験ほど、全てを均等に回す時間はありません。苦手だけを取り出して集中する仕組みを早めに作るのが、独学では特に大事だと感じています。
フェーズ3:5周目以降は「解説を読み込む」回し方に変える
5周目を超えた頃、私はある壁にぶつかりました。問題を見た瞬間に答えが思い出せてしまい、ちゃんと考えて解いている実感がなくなってきたのです。
「これはまずいな」と思って、回し方そのものを変えました。問題を解くこと自体は短時間で済ませて、その代わりに解説をじっくり読み込む時間を増やしたのです。
解説を読みながら、「なぜこの選択肢が間違いなのか」「他の似た問題と何が違うのか」を自分の言葉でノートに書き出しました。地味な作業ですが、ここを乗り越えてから模試の点数が安定し始めたので、効果はあったのだと思います。
点数が伸びない時期にやってよかった3つの工夫
過去問を回していると、必ずと言っていいほど停滞期がやってきます。私の場合、勉強開始から4ヶ月目あたりで、何度解いても模試の点数が同じラインから動かなくなりました。
そのとき試して効果を感じたのが、次の3つです。
1つ目は、間違いノートを作ること。 ノートと言っても立派なものではなく、A6サイズの小さなメモ帳に、間違えた問題のポイントだけを箇条書きで書いていました。通勤中の電車で見返すためのものなので、文字数は少ないほどいいんです。
2つ目は、解説を声に出して読むこと。 自宅で勉強しているとき、難しい部分だけ小声で音読していました。視覚と聴覚の両方を使うと記憶への定着が違うように感じます。家族がいる方は、口パクでも効果があると私は思っています。
3つ目は、媒体を使い分けること。 自宅では紙の過去問集、通勤中はスマホの過去問アプリ、というふうに場面ごとに分けていました。スキマ時間と腰を据える時間で道具を変えると、勉強のリズムが作りやすくなると実感しました。
これらの工夫は、私が挑戦したのは行政書士試験でしたが、宅建や簿記、語学系の検定など、過去問形式の試験であればどれにも応用できるはずです。
周回数の目安と、回しすぎの落とし穴
「結局、何周すればいいの?」という疑問にも触れておきます。
私の場合は、最終的に過去問集を本試験5年分について約7周、直近1年分は10周以上回しました。ただ、これはあくまで私個人のケースなので、絶対的な目安にはなりません。
むしろ気をつけたいのは、回しすぎることの弊害です。同じ問題を繰り返し解いていると、問題文を最後まで読まなくても答えが浮かぶようになります。これは一見「身についた」ように感じますが、実は危険なサインです。
本試験では当然、過去問と全く同じ問題は出ません。少し角度を変えて問われたときに、自分が本当に理解しているのか、それとも答えを暗記しているだけなのかが試されます。
私は4ヶ月目頃に「あれ、これって答えを覚えているだけかも」と気づいて、フェーズ3の解説読み込みに切り替えました。周回数を増やすこと自体が目的化していないか、定期的に立ち止まる視点は持っておいたほうがいいと思います。
なお、試験ごとに過去問の重要度や出題傾向は異なります。法律系の資格などでは法改正の影響もあるため、最新の情報は公式の試験団体や信頼できる専門家の情報で確認することをおすすめします。
まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
・過去問の周回数に絶対の正解はなく、「何周」より「どう回すか」が大事
・1〜2周目は現在地の把握、3〜4周目は苦手の絞り込み、5周目以降は解説読み込み、とフェーズで使い分ける
・点数が伸びない時期は、間違いノート・音読・媒体の使い分けが効いた
・回しすぎて答えを暗記しているだけの状態にならないよう注意する
・自分の理解度を可視化する仕組みを早めに作ることが、独学では特に重要
私自身、過去問を回しても回しても伸びない時期に何度も心が折れかけました。でも、回し方を変えるだけで景色がガラッと変わる瞬間が確かにありました。あなたが挑戦している資格でも、きっと同じような転機が訪れるはずです。焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。
