暗記が苦手な私が独学で実践した覚え方のコツ

「テキストを何回も読んでいるのに、翌週には半分以上忘れている」
そんな悩みを抱えていませんか。

実は私も同じでした。社会人になってから始めた資格勉強で、若い頃のような丸暗記がまったく通用せず、何度も心が折れかけました。けれど、覚え方を少し工夫しただけで、定着率が体感で大きく変わったんです。

この記事では、独学で資格に合格した私が、約半年〜1年の勉強期間中に実際に試して効果を感じた「反復」と「語呂合わせ」のコツをお伝えします。暗記が苦手なあなたの参考になれば嬉しいです。

暗記が苦手なのは才能のせいではないと気づいた話

まず最初にお伝えしたいのは、暗記が苦手なのは才能や年齢のせいではなく、ほとんどが「やり方」の問題だということです。

私は昨年、行政書士試験に独学で合格しました。でも勉強を始めた頃は、本当に絶望的なほど暗記ができませんでした。テキストを3回読んだはずなのに、翌週確認テストをしてみると半分以上が抜け落ちている。これを2ヶ月くらい繰り返して、本気で「自分には向いていないのでは」と落ち込みました。

その時に気づいたのは、私の勉強が「読むだけ」で完結していたという事実です。目で文字を追って、なんとなく分かった気になって、次のページへ。これでは記憶に残らないのは当たり前でした。

人間の脳は、入力された情報を「重要」と判断しなければすぐ捨ててしまうそうです。一度読んだだけの情報は、脳にとっては「重要じゃない情報」のまま。だから抜け落ちる。これは私の経験というより、認知科学の世界では一般的に言われている話だと思います。

私の場合は行政書士の勉強でしたが、これは宅建でも簿記でも、TOEICでも医療系の資格でも、暗記が必要な試験すべてに当てはまるはずです。「読むだけで覚えられないのは普通のこと」。まずここを受け入れるところからスタートしました。

反復のコツは「短く・何度も・場所を変える」

暗記の王道はやはり反復です。ただ、ここにもコツがあって、「長時間1回」より「短時間×何度も」のほうが圧倒的に定着します

これはエビングハウスの忘却曲線という、有名な記憶研究で示されている考え方です。人は覚えた内容を1日後には7割近く忘れてしまう。だから、忘れる前に思い出す作業を繰り返すことが大事になります。

私が実際にやっていたのは、こんな反復サイクルでした。

・朝の通勤電車(20分):前日覚えた範囲をざっと確認
・昼休み(10分):午前中に思い出した内容を頭の中で再確認
・夜の通勤電車(20分):その日の新しい範囲+前日範囲の見直し
・寝る前(15分):1週間前の範囲をパラパラ復習

合計しても1日65分くらいですが、同じ範囲に1日4回触れることになります。机にどっしり座って2時間やるより、こちらのほうが私には合っていました。

面白かったのは、場所を変えると思い出しやすくなったことです。電車で覚えた内容を、自宅で復習し、カフェでもう一度見る。脳科学的にも「場所と記憶はセットで保存される」と言われているそうで、これは実感としてもありました。

私の場合は行政書士でしたが、スキマ時間×短サイクルの反復は、暗記要素のあるどの資格にも応用できると思います。社会人で時間が取れない方ほど、この方法は試す価値があるはずです。

「思い出す」が反復の本体

ここで一つ大事なポイントがあります。反復は「読み返す」ことではなく、「思い出そうとする」ことが本体です。

私はよく、テキストを開く前に「昨日の範囲、何が書いてあったっけ」と頭の中で思い出す時間を10秒だけ作っていました。思い出せなかったら開いて確認。これだけで定着率が違ったんです。

人間は、思い出そうとして失敗した直後の情報を強く覚えるらしいです。これは資格勉強だけでなく、人の名前を覚えるときなど、日常でも使えるコツだと感じています。

語呂合わせは「自分で作る」が9割

数字や順番、似た用語の区別など、どうしても丸暗記が必要な場面はあります。そんなときに頼りになるのが語呂合わせです。

ただし大事なのは、他人が作った語呂より、自分で作った語呂のほうが圧倒的に記憶に残るということ。私はこれを身をもって体験しました。

最初は参考書に載っている語呂合わせを使っていたんですが、これがほとんど頭に入らない。理由を考えてみると、他人の語呂は「自分の感覚」と合っていないからだと気づきました。自分にとって意味不明な単語のつながりは、結局もう一度覚え直す手間が発生してしまうんですね。

そこで自作に切り替えたら、これが驚くほど残るんです。

自作のコツは3つあります。

1つ目は「笑えるもの」を目指すこと。下品でもいい、自分が「クスッ」と笑える語呂は本当に忘れません。
2つ目は「自分の好きなもの」を絡めること。好きなアーティスト、好きな食べ物、ペットの名前など、感情がのる単語と結びつけると残ります。
3つ目は「無理に韻を踏まない」こと。語呂は完璧でなくていい。多少むちゃくちゃでも、自分が思い出せれば勝ちです。

私は通勤電車の中で、ぼーっと窓の外を見ながら語呂を考える時間が結構好きでした。これは行政書士の勉強で身についた習慣ですが、年号や数字を覚える試験ならどんなものでも応用できると感じています。

寝る前と起きてすぐの「黄金タイム」を逃さない

社会人で資格勉強をしていると、まとまった時間が取れないのが一番の悩みだと思います。私もそうでした。だからこそ意識したのが、「寝る前15分」と「起きてすぐ5分」の黄金タイムです。

寝ている間、脳は日中に入ってきた情報を整理して定着させると言われています。だから、寝る直前にインプットした情報は記憶に残りやすい。これは多くの記憶研究で言われている話のようです(詳しくは専門書や研究機関の情報をご確認ください)。

私は寝る前15分を、その日に覚えた範囲の「思い出し復習」に使っていました。テキストは開かず、頭の中で「今日は何を覚えたっけ」と振り返るだけ。思い出せなかったところだけ、翌朝5分でチェックする。これを約半年続けたら、定着率が体感で大きく変わりました。

朝活も同様で、起きてすぐの脳はクリアなので、前日の復習や苦手な暗記項目に向いています。私の場合は朝5時半に起きて、コーヒーを淹れながら昨日のメモを見直すのが習慣でした。最初の1週間はつらかったけれど、慣れると気持ちのいいルーティンになりました。

このやり方は行政書士の勉強で見つけたものですが、私の場合は行政書士でしたが、暗記系の試験ならどんな資格でも同じ効果が出るはずです。朝型・夜型は人によりますが、「睡眠前後の15分」を暗記専用枠にするだけで、机に向かう時間以上のリターンがあると思います。

完璧主義を捨てたら定着率が上がった

最後にメンタル面のコツを1つ。これは個人的に一番効果があったかもしれません。

それは、「1ページを完璧にしてから次に進む」をやめるということ。

私は最初、完璧主義で勉強していました。1ページ目を100%覚えるまで2ページ目に進まない。これがどれだけ非効率だったか、今振り返ると本当に痛感します。

なぜなら、人間は時間とともに必ず忘れるからです。1ページを完璧にしても、3週間後にはまた忘れている。それなら、最初から「7割でいいから先に進む」と決めて、テキストを何周も回したほうがいい。私はこれに気づいてから、勉強の進捗が一気に変わりました。

具体的には、テキスト1冊を最初は「ざっと2週間で1周」というスピード感で進めるようになりました。当然、1周目はほとんど覚えていません。でも2周目、3周目と回していくうちに、不思議と頭に残るようになっていきました。

これも行政書士の勉強で気づいたことですが、長期戦になる資格勉強全般に通じる話だと思います。完璧主義は、独学の最大の敵かもしれません。

「忘れることを前提に、回転数で勝負する」。この発想に切り替えられるかどうかが、暗記が苦手な人にとっての大きな分岐点だと感じています。

まとめ

最後に、この記事でお伝えしたコツを整理しておきます。

・暗記が苦手なのは才能ではなく「やり方」の問題と受け入れる
・反復は「短時間×何度も」、場所を変えながら回す
・語呂合わせは他人のものより自分で作るほうが残る
・寝る前15分と起きてすぐ5分の「黄金タイム」を活用する
・完璧主義を捨てて、回転数で勝負する

暗記が苦手な人ほど、ちょっとした工夫で大きく変わる余地があります。私自身、暗記が本当に苦手なまま社会人になり、それでも独学で資格に合格することができました。だから、今これを読んでくれているあなたにも、絶対に道はあると感じています。

あなたが今挑戦している資格が何であれ、この記事のコツがどこかで役立てば嬉しいです。焦らず、自分のペースで、少しずつ前に進んでいきましょう。